不滅のユースティティア。




バッシャーーン!



「…今のはいちばんひどい」


「………さむい」



朝だったはずが、窓の外は夕暮れ色に変わっていた。


ここだけ雨でも降ったかのように、びしょ濡れ。

くしゅんっと、ぶるると震えた身体と一緒に小さなくしゃみ。



「…今日はもうやめよう。たぶんできない」



できない───、

そんなこと言わないで欲しい。


できるって、あなただけはできるって言ってくれなきゃダメなのに…。



「でっ、できるよ…!」


「だめ。感情的になったら危ない。お風呂入っといで」


「危なくないっ、だって1ヶ月しかないから…!」


「江架。僕の言うことを聞け」


「っ、」



水浸しの身体。

ここで風邪を引いて2日寝込んだとしたら?
そのあいだの特訓はできないんだよ。


ちゃんと冷静に考えようよ私。



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