不滅のユースティティア。
だとしても特訓は特訓、修行は修行。
心の持ちようと比例してくれない才能。
どうしてできないんだろう……。
感覚としては日々のなかで掴めているはずが、形として魔法が現れてくれないまま、今日という1日がまた終わろうとしていた。
「よーし、いったん休憩。ずっとぶっ通しでやってるから体力的にも疲れが出てんだろうね。ルスー、えっちゃんを休憩させていい?」
「アネモス、江架に風を送ってあげて」
「大丈夫っ、まだやれるから…!」
ふたりの親切を押しきってまで続ける私を、離れた場所から黙って見守るルス先輩。
「なんか…懐かしーや」と、ハオさんはつぶやいて移動した。
「かつてはお前もあんな感じで毎日毎日特訓してたもんね、ルス」
「…いつのこと」
「はは、覚えてるくせに。だからえっちゃんに自分を重ねてるとこもあるんだろ?」
「……どーかな」
そんな年上組の会話は、私には聞こえない。
しかし、それからも完全に水を移すことは1度もできないまま。
1ヶ月というリミットは着々と迫っていた───。