不滅のユースティティア。
ペアができたことで、周りからの扱いが変わった。
それも最上級、Sクラスともなれば。
彼らに気に入られたいがために私に笑顔を振り撒く女の子たちも数知れず。
けれど良い面があるぶん、悪い面も見えてくることが“慣れ”というもの。
「江架、おまえも今ならいけるんじゃないか?」
「……いや…、私はまだ…」
「毎日頑張ってるそうじゃないか。ほら、これも特訓だと思って」
黒板の前に呼ばれる。
とある授業にて、クラスメイト全員の前でフラスコに入った水の性質を分析し、性質分解してからの性質そのものを変えるという実験。
結果として青色をした液体を赤色に変えればいいだけのこと。
「はっ、所詮落ちこぼれは落ちこぼれか」
たぶん、それを言いたかっただけなんだ。
やっぱり色を変えることなどできなかった私に、ボソリと教師が捨て台詞を吐いた。
もちろんクラスメイトたちも鼻で笑い、「なにも変わってない」と、安心したような声。