不滅のユースティティア。
べつに勉強が好きってわけじゃない。
この丸メガネだって実はダテだ。
16歳から入学できる、この聖アヴィス魔法学校は、名前のとおり魔法学校である。
しかしどうだろう。
入学してから半年が経っても魔力開花すらしていない生徒が紛れ込んでいるとなれば。
いつだって私はクラスメイトたちにとって鬱憤(うっぷん)晴らしのターゲット。
「私の本っ、返して…!」
「魔法が使えたら簡単に取れるぜ?なあ、ガリ勉メガネ」
「っ、私だってもう少ししたらっ、もう少ししたら……ぜったい、魔力開花……できるはず、だもん」
「はははっ!じゃあ教えてやろっか?魔力を開花させるにいちばん大切なことは、だれにも負けねえ自信と誇りなんだよバーっカ!」
うっと、言葉につまる。
見過ごさないいじめっ子は私の弱味に付け込むみたく、唇の端をいやらしく引き上げた。