不滅のユースティティア。




「こんな落ちこぼれの出来損ないなんかには…、できないもん……っ」



お父さんが生きていたら違ってた。
お母さんがいたら、きっと魔法が使えた。

でも私にはいないから、みんなと違うのは仕方ないよ。


私はみんなより苦労してる。

だからいじめないで、優しくしてよ。


そんなふうにどうしようもないほど誰かのせいにして、へんな理由をくっつけて、結局そうまでしても何も変わらない自分が大嫌いになって。


魔法そのものを大嫌いになりそうで、だったら自分なんか存在しないほうがいいって呪ってしまう。

もういやだ、こんなループ。



「───…僕もそうだったよ」



なぐさめにしては、いじわるだ。


特殊属性を持って、Sクラスの特待生で。

だれもが羨む才能ばかりの立場が言う慰めにしては、間違えすぎている。



「僕にも才能なんかなかった。落ちこぼれ、出来損ない、聞き飽きるほど言われつづけてた」


「…え…?」


「こんなこと言ったら幻滅するかもしれないけど。僕はね、本当はずっと……魔法なんか大嫌いだった」



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