不滅のユースティティア。




まぶたいっぱいに溜まった涙をひとつひとつ丁寧にすくってくれる指先は、やっぱりあたたかい。



「めがね…、あぶないから、」


「大丈夫。僕の魔法(光)には治癒魔法も備わってる」



すこし前に、クラスメイトの身体を黒板まで吹き飛ばしてしまったことがあった。

そのときも眼鏡が外れそうになって、たったそれだけで大きな魔力を私も感じた。


ほんとうは、それだけじゃない。


ずっとずっと小さな頃、私は悪い人間たちに連れ去られそうになったことがある。

たまたまおばあちゃんの目のない場所に来てしまっていたから、幼い私は絶体絶命。


────でも、気づいたとき。


私の周りを囲んでいた大人たちが全員、地面にひれ伏していた。

同じように転がっていたのは、当時も愛用していたこの眼鏡。



「私は……魔法が使えないんじゃなくて、封印、されてるの…?」


「…わからない。でも、必ず分かる日は来ると思う。わからなきゃいけない日が必ず来る」



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