不滅のユースティティア。
私の家だけ、人里離れた場所にあること。
コンクリート調ではなく木造建築なこと。
昔から、昔から、みんなに避けられていたこと。
同い歳ほどの子供と話していると、必ず親と思われる人間が引き剥がすようにやって来て。
「危ないからあの子には近づいちゃダメ」って、私を見てみんな言うの。
「魔法は愛だ」
また増えてしまった涙を拭ってくれたものは、今度は言葉だった。
「僕の母さんがずっと言ってた受け売りだよ。…“魔法は愛に変わる”って」
「…ルス先輩のお母さんは……、魔法、使えなかったって…」
切なそうに微笑んで、彼はひとつうなずいた。
だからあの日、ちがったんだ。
魔力開花すらしていない私を嘲笑うことなく、あたたかな優しさをくれた。
Sクラスというものは、魔力だけがずば抜けて優れているだけじゃないことを私に教えてくれたの。