不滅のユースティティア。




和の国へ行こう。

もし一緒に旅をするなら、最初は和の国。


その国は1年のあいだに4つの季節が見られる美しい国だと、夜巳おばあちゃんは言っていた。



「でも、本当にお姫さまに会えたと思ったんだ。僕がずっと会いたかった、きみは僕だけの───…かぐや姫」



そのお姫さまが月のように美しい女性(ひと)なのであれば、世の男性たちは放ってはおかなかったはずだ。


対する私はこの世の“普通”さえろくにできない、友達さえもいない、ガリ勉メガネなひとりぼっちの嫌われもの。


そんな私がお姫さま、だって。

この人だけのお姫さま、なんだって。



「かぐや姫は……、なにもないところで転ぶ…?」


「え…?」


「ガリ勉メガネって、呼ばれてる…?ひとりだけ魔法を使えなくて、みんなから笑われてる…?」



竹から生まれていないよ。
見てのとおり、月のように美しくはない。

冗談でもそれは言えない、平々凡々。



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