不滅のユースティティア。
ただいま
「では、始めなさい」
「……いや……、あの…」
「どうかしたの?できないならできないでいいのよ」
ちがうんです。
聞いてたものと話が、ちがうんです───。
言いたかったけれど、紫色をした鋭すぎる眼光に黙らせられた。
放課後の理事長室、真ん中に立たされた私と、離れさせられた端で見守っている彼。
「理事長、魔力開花したことを証明さえすればよろしかったはずでは?」
ちょっと待て、をかけた声。
話がちがう、こんなこと聞いてない───と、とうとう私の代わりに強く出てくれた。
「ええ。魔力開花さえしていれば、誰でもできることよ?」
「……嵌(は)めたなクソババア」
聞いたことがないほど、私のうしろからルス先輩の低い声。
おっほっほ、と。
派手な扇子を開いて高らかに笑い、高見の見物をしている理事長は、宝石だらけの指を退屈そうにいじっていた。