不滅のユースティティア。
ただいま




「では、始めなさい」


「……いや……、あの…」


「どうかしたの?できないならできないでいいのよ」



ちがうんです。
聞いてたものと話が、ちがうんです───。


言いたかったけれど、紫色をした鋭すぎる眼光に黙らせられた。


放課後の理事長室、真ん中に立たされた私と、離れさせられた端で見守っている彼。



「理事長、魔力開花したことを証明さえすればよろしかったはずでは?」



ちょっと待て、をかけた声。

話がちがう、こんなこと聞いてない───と、とうとう私の代わりに強く出てくれた。



「ええ。魔力開花さえしていれば、誰でもできることよ?」


「……嵌(は)めたなクソババア」



聞いたことがないほど、私のうしろからルス先輩の低い声。


おっほっほ、と。

派手な扇子を開いて高らかに笑い、高見の見物をしている理事長は、宝石だらけの指を退屈そうにいじっていた。



< 92 / 408 >

この作品をシェア

pagetop