不滅のユースティティア。




「さあ見せてちょうだい八神 江架さん。それと、Sクラスのあなたはもう少し離れていてくださる?」


「……なぜですか。まさか僕が何か裏で工作をするとでも?」


「そうとは言っていないけれど、念のためよ」



てっきり私は、練習どおりコップを使った例の遠隔操作魔法を見せるものだと思っていた。

もちろんルス先輩もそうで、最後まで私のことを信じつづけてくれている。


………が、魔法を使ってここにないものを創りなさい、と。


たったのいま提出された課題に、あたまが真っ白になった。



「落ち着いて江架。想像するんだ。好きなものや夢中なもの、頭に思い浮かべて」


「うん…」



ぶつけ本番のようなものだ。


今までの練習でも1度たりとも著しい何かを見出せていなかっとしても、コップと水を使ったものであればせめて身体だけは感覚を覚えていたというのに。


「魔法で何かを創り出せ」だなんて。

急に言われたってできっこない…。



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