不滅のユースティティア。
「今まで眼鏡を外しての特訓は絶対にさせなかった。…だから江架、それ外して」
「…もう……いい」
「…いい?」
「うん。もう…いいの。ありがとうルス先輩」
ばかみたいだよ。
そうなの、馬鹿みたいなの。
あんな分厚い魔法書をいつも持ち歩いて、先生の授業はひとつも聞き逃さずノートをとって。
結果がすべてなこの学校で、授業態度だけは完璧。
いいなあ。
私もいつかみんなみたいに使えるようになりたいなあ…。
できて当たり前なことを、私は憧れと目標にして、がんばる毎日。
「もう……苦しいから」
自分に期待するぶん、それ以上できない自分に落胆すること。
あきらめる瞬間というのは、きっと誰もがこんな感情を持つんだろう。
くるしい、もう苦しいからって。
「僕の言うことを聞いて、江架」
首を横に振る。
「おねがいだ江架。メガネ、外して」
「いやだ。だって…、かけてても可愛いって言ってくれたの、すごく嬉しかったから」
精いっぱい、笑ってみせる。