ヒーローはキミだから
2.唯一の避難場所
教室にいても。
「弓佳ってひどいよね」
「背が高いってだけで、顔もたいしたことないから、悪知恵働かせるしか手段ないんじゃない?」
「ひきょう者だよねー!」
そんな陰口が毎日ひっきりなしに聞こえてくる。
ゲタ箱にはいつも。
「裏切り者」
「サイテー」
「ひとをだましてまで内海くんとつき合いたいの?」
っていう内容のメモがどっさり。
クラスの子たちの視線がいやで、最近は休み時間に図書室に逃げこむことが多くなった。
目立たない、いちばん奥の学習机にひっそりと身をひそめるばかり。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
あのときどうすればよかったのかな……?
「キミ、キミ」
あたしの肩に、あたたかい手がふれた。
顔をあげると、キリッと目鼻立ちの整った、背の高い男子生徒が、あたしのそばに立っていた。
少し茶色がかった髪の毛が、透明感のある肌によく似合ってる。
わぁ、キレイなひと。先輩かな?
「大丈夫? 具合悪いの?」
あれっ、あたし――。
そっか、いつの間にかうたた寝してたんだ。
このごろ夜はよく眠れないから。
「弓佳ってひどいよね」
「背が高いってだけで、顔もたいしたことないから、悪知恵働かせるしか手段ないんじゃない?」
「ひきょう者だよねー!」
そんな陰口が毎日ひっきりなしに聞こえてくる。
ゲタ箱にはいつも。
「裏切り者」
「サイテー」
「ひとをだましてまで内海くんとつき合いたいの?」
っていう内容のメモがどっさり。
クラスの子たちの視線がいやで、最近は休み時間に図書室に逃げこむことが多くなった。
目立たない、いちばん奥の学習机にひっそりと身をひそめるばかり。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
あのときどうすればよかったのかな……?
「キミ、キミ」
あたしの肩に、あたたかい手がふれた。
顔をあげると、キリッと目鼻立ちの整った、背の高い男子生徒が、あたしのそばに立っていた。
少し茶色がかった髪の毛が、透明感のある肌によく似合ってる。
わぁ、キレイなひと。先輩かな?
「大丈夫? 具合悪いの?」
あれっ、あたし――。
そっか、いつの間にかうたた寝してたんだ。
このごろ夜はよく眠れないから。