ヒーローはキミだから
「へぇーっ、そりゃコワイな」
先輩は、わざと驚いたような声をあげた。
とまどっているあたしを見て、ふふふっと笑ったあと、今度は真剣なまなざしを珠莉のほうに向けて。
「だけど、ホントに好きって気持ちはそんなカンタンには揺らがないんだよ。根も葉もないウワサ真に受けて、相手のことキライになるほど、オレの気持ちはいいかげんじゃない!」
と、はっきり言い放った。
「で、でも……」
あまりの先輩の迫力に、さすがの珠莉もたじろいでる。
「オレ、キミよりよっぽど弓佳ちゃんのこと知ってるから。もしこれからも弓佳ちゃんを傷つけるようなウワサ流すんだったら承知しないからね」
「……」
珠莉は、深くうつむいて唇をかみしめたままだまってる。
先輩は少し困ったように頭をかきながら。
「それに、ずっと気になってたんだけど、キミ、ホントにその内海くんって子のこと好きなの?」
すると、珠莉はキッと先輩をにらみつけながら、
「あたり前でしょ! あたしはずっと内海くんのことが――」
「じゃあ、どうしてその子から目を背けることばっかりしてるわけ?」
先輩は静かな口調で、珠莉にたずねた。
先輩は、わざと驚いたような声をあげた。
とまどっているあたしを見て、ふふふっと笑ったあと、今度は真剣なまなざしを珠莉のほうに向けて。
「だけど、ホントに好きって気持ちはそんなカンタンには揺らがないんだよ。根も葉もないウワサ真に受けて、相手のことキライになるほど、オレの気持ちはいいかげんじゃない!」
と、はっきり言い放った。
「で、でも……」
あまりの先輩の迫力に、さすがの珠莉もたじろいでる。
「オレ、キミよりよっぽど弓佳ちゃんのこと知ってるから。もしこれからも弓佳ちゃんを傷つけるようなウワサ流すんだったら承知しないからね」
「……」
珠莉は、深くうつむいて唇をかみしめたままだまってる。
先輩は少し困ったように頭をかきながら。
「それに、ずっと気になってたんだけど、キミ、ホントにその内海くんって子のこと好きなの?」
すると、珠莉はキッと先輩をにらみつけながら、
「あたり前でしょ! あたしはずっと内海くんのことが――」
「じゃあ、どうしてその子から目を背けることばっかりしてるわけ?」
先輩は静かな口調で、珠莉にたずねた。