おばけなワタシとキラキラのきみ
「もしかして雨音先生ってこと、ヒミツ?」

人なつっこい笑顔で聞かれて、絶望した顔でコクリとうなずく。

「あ、あの、このことは」
われながら、ポツリポツリとなさけない声。

「言わないよ、誰にも」
「え」

思ったよりもいい人なのかも、なんて考えたわたしを、続くひと言がまた絶望させる。

「こんなおもしろいこと」

これってオドされたりするヤツなんじゃ……この先輩が卒業するまで……ううん、附属高だったらその後も、おこづかい全部とられちゃうヤツ……持ち前の想像力が働いて、思わず半泣きになってしまう。

「急にいろんな人に知られて、雨音先生が続き書けなくなったら困るしね」
「え?」

「昨日書いてた話って、続きいつ読めるの?」

先輩は何を言っているんだろう。
< 11 / 74 >

この作品をシェア

pagetop