おばけなワタシとキラキラのきみ
「学年がちがっても、卒業しても、俺は空の友だちだから」

「え……」
「空が思ってる通り、学年がちがったら助けるのも限度があるし、先に卒業する無責任な立場だけど、クラス中から無視されたって空は独りじゃないよ」
先輩はまっすぐわたしを見て言ってくれた。

うれしい気持ちと、それでもゴーストライターでいるって決めてるうしろめたさと、知られてしまった恥ずかしさが心の中でまざってる。
「わたし、今日は待ち合わせがあるのでこれで。さようなら」


「空! お待たせ」
校門で待っていたわたしにアユちゃんが走りながら手をふる。

「空のあいさつ文、最高だった! 先生とか、知らない先輩にもほめられちゃった」
アユちゃんはうれしそうに笑う。

「あれ? 空、なんか目赤くない?」
「あ、えっと……目にゴミが入っちゃってこすったから」
「ふーん。そういえば、今日作文の宿題出たよね」

「うん、わかってる」
アユちゃんの目がキラキラとかがやく。

「ほんと、空だいすき〜! ずーっと親友でいてね」
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