おばけなワタシとキラキラのきみ
「こっちが加地さんので、こっちが空?」
うなずいてはみるものの、先輩に責められているようで少し気まずい。
「空が二つ書いてるのに、なんで加地さんばっかり賞に入るの?」
「……最後にわたしのほうを少し下手な文に変えるから……。漢字もまちがえたり……」
「わざと下手な文にできるのも、あるイミ才能だよな」
先輩はあきれたように笑う。
「……書いてるのはわたしだけど、この前の引退式のときも、アユちゃんの話し方がうまくて、アユちゃんが読むから意味があるんじゃないかって思って……」
先輩はだまって聞いている。
「アユちゃんはなんていうか……かわいくて、華があるから」
「空、本気でそう思ってる?」
先輩の言葉に今度はわたしがだまる。
「空がつむいだ言葉は空のものだよ。空が話すから意味があるって俺は思うよ」
先輩は、まっすぐ。
目も、言葉も。
うなずいてはみるものの、先輩に責められているようで少し気まずい。
「空が二つ書いてるのに、なんで加地さんばっかり賞に入るの?」
「……最後にわたしのほうを少し下手な文に変えるから……。漢字もまちがえたり……」
「わざと下手な文にできるのも、あるイミ才能だよな」
先輩はあきれたように笑う。
「……書いてるのはわたしだけど、この前の引退式のときも、アユちゃんの話し方がうまくて、アユちゃんが読むから意味があるんじゃないかって思って……」
先輩はだまって聞いている。
「アユちゃんはなんていうか……かわいくて、華があるから」
「空、本気でそう思ってる?」
先輩の言葉に今度はわたしがだまる。
「空がつむいだ言葉は空のものだよ。空が話すから意味があるって俺は思うよ」
先輩は、まっすぐ。
目も、言葉も。