おばけなワタシとキラキラのきみ
「おどろきすぎだろ」
「宙先輩」

先輩も飲み物を買いにきたらしい。

「え、えっと、おいしいです、わたし的には。コーヒー牛乳は甘すぎて苦手だけど、ほうじ茶ラテはすっきりしてて。でも、味覚はひとそれぞれなので……」
「あはは。すげー空らしい言いかた」
先輩はおかしそうに笑いながら、ほうじ茶ラテのボタンをおした。

「まねっこ」
そう言って、イタズラっぽい表情でわたしに紙パックを見せる。
生まれてはじめて、心臓がキュンッて鳴った気がする……イケメンてすごい。

「先輩は体育だったんですか?」
先輩は体操着を着てる。
それもいつもの先輩とちがってなんだかちょっとおちつかない。

「そう。ひさびさにサッカーしてきた」
「球技できるの、すごいです」

「教えてあげようか?」
先輩の提案にぶんぶんと拒否の意思表示で首をふる。

スポーツの中でも、球技は絶望的に才能がなくてあきらめてる。

「俺が雨音先生に教えられそうなことってスポーツくらいしかないのにな〜」
「そんなことないっ」
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