おばけなワタシとキラキラのきみ
「生徒会はどうだった?」
アユちゃんはかわいいだけじゃなくて生徒会長もしてて、この学校の主人公って感じがする。

「あ、そうだ。来月の全校集会が三年生の部活の引退式なの。それで生徒会長が代表であいさつすることになったんだけど」

もうなれたはずのアユちゃんの言葉に、一瞬胸がギクっと音をたてる。
「……何文字くらい?」

「んー……原稿用紙2枚分くらい? 先輩たちへの感謝と憧れ? みたいな内容で〜さいしょに文化部のこと、後半で運動部のこと書いて」
「わかった」

「ありがとう! だから空大好き!」
アユちゃんがキラキラした目でわたしに抱きつく。

アユちゃんはスポーツも勉強もだいたい人並み以上にできるけど、作文が苦手。


だからわたしは、アユちゃんの代わりに作文を書く。
アユちゃんの〝ゴーストライター〟ってやつをしてる。
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