おばけなワタシとキラキラのきみ
「あ、ごめん。急につかんで」
わたしのおどろいた表情を見た先輩はあやまってくれて、すぐに手をはなしてくれた。

「けど空、最近なんか変じゃない?」
「え、えっと……」

わたしはまたキョロキョロする。
そんな様子に先輩はため息をつく。

「まあいいや、放課後聞かせて」
そう言って先輩は、教室にもどっていった。


放課後の閲覧室。

「加地さんがこわいから、俺とは話さないってこと?」
わたしは気まずさをかくせずに、無言でうなずく。

「……先輩には失礼だってわかってます。ごめんなさい」

前に座った先輩はぜんぜん納得してないって顔。
「前にも聞いたけどさ、空はそれでいいのか?」

また、うなずく。

「今年は修学旅行もあるし、クラスの子たちと仲よくしてたいです」

「〝仲よく〟って」
先輩は困ったようにため息をつく。
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