おばけなワタシとキラキラのきみ
***

次の日の放課後。

「先輩、しばらく閲覧室以外では話しかけないでください」

わたしの失礼すぎるお願いに、先輩はむずかしい顔をした。

「加地さんがこわいから?」
「そうです」

先輩はがっかりしたようにため息をつく。

「だけど、もうやめたいんです。そういうの」
「え?」

「先輩が言ってたコンテストに出してみようと思ってて」
「あのサイトの?」
わたしは「はい」と言ってうなずく。

「きっかけがないと、なかなかむずかしいから……このコンテストで賞をとれたら……アユちゃんの名前じゃなくて評価されたら、もうアユちゃんに書くのはやめます。だから、それまでは……」
< 50 / 74 >

この作品をシェア

pagetop