おばけなワタシとキラキラのきみ
「え、えっと……」
わたしがなにを言えばいいのかとまどって、うまくしゃべれずにいたときだった。

「はーい」
三年生の席で、誰かが手をあげた。

宙先輩だった。

「マイク借りてもいいですか?」
先輩は、脇にいた先生に言ってもう一本マイクを用意してもらった。

「とつぜんすみません、三年の青沢です」
それはみんな知ってると思うけど、先輩どうしたんだろう。

「じつは俺、拝島さんに相談されて受賞作の主人公のモデルになってるんですよね」
先輩の言葉に、ほかの生徒がまたざわつく。

「俺の言った言葉なんかも出てきてて」
先輩がわたしのほうを見る。

「俺は拝島さんにはモデルになることも、セリフを使うのも許可してますけど、加地さんには頼まれてないんで。二人で書いたっていうなら、許可できないです」
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