おばけなワタシとキラキラのきみ
先輩の言葉は、生徒だけじゃなくて先生もざわつかせた。
だって、せっかくの受賞作が発表できなくなっちゃうから。

先輩の発言にはびっくりしたけど、このまま受賞が取り消しになったほうがマシかもしれないって思ってアユちゃんのほうを見た。

そしたらアユちゃんは先輩のほうを見てニコッと笑うと、わたしの手元のマイクを手にとった。

「なら、消します。先輩のセリフ」

「え……」
アユちゃんはなにを言ってるの?

「モデルにしてることもわからないようにして、先輩がダメって言われるセリフは削除して書き直します。それなら文句ないですよね?」

ダメだよ。

「させない、そんなこと!」

わたしは、無意識にアユちゃんのマイクをうばいとっていた。
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