おばけなワタシとキラキラのきみ
『空ちゃんは目立たないでアユの横にいるのが一番安心できるはずだよね?』
『え……』

『空ちゃん、幼なじみだからアユが表彰されるのが自慢だって言ってたよね』
わたしはうなずいた。だって本当にそうだから。

『だったら、つぎはアユが作文で表彰されたいな』
そう言って、アユちゃんは賞状を指さした。

『来年は、ここがアユの名前になるようにして』
『え?』

あの時のアユちゃんの全然笑ってなかった顔は、今でもときどき思い出す。

『それまで作文の宿題とかコンクールで練習しよ』
『なんの練習?』

『空ちゃんがアユのために作文を書く練習。アユ、作文て苦手だからうれしいな』
『え、そんなのダメだよ!』

あわてるわたしに、アユちゃんはささやいた。

『空ちゃんが誰にも言わなければ大丈夫だよね』
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