おばけなワタシとキラキラのきみ
先生はカンタンに信じないよね。
だってアユちゃんは勉強もスポーツも、ちゃんと優秀にできるから。
ほかのみんなだって、かわいくて優秀な生徒会長よりもさえないわたしを信じるなんてムリなのかもしれない。

「さっき提出した読書感想文……」
わたしは先生を見て言う。

「加地さんの分まで内容暗記してます。それに、今年の加地さんの感想文は漢字のまちがいとか言いまわしのおかしなところがたくさんあるはずです」

「え!?」
それを聞いたアユちゃんが青くなってる。

アユちゃんはわたしを信用して、まともに読まずに書き写してるって知ってるから、今年はアユちゃんの分をまちがいだらけにしておいた。

「加地さんの感想文も、わたしが書いたんです」

小説が受賞したってしなくたって、今年で最後にするって決めてたから。
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