おばけなワタシとキラキラのきみ
わたしは、アユちゃんといっしょにいるより、一人を選ぶって決めた。

気になって、宙先輩のほうをチラッと見る。

「やるじゃん」
先輩が言ってくれた。

〝一人〟になったって〝独り〟じゃないって思える。


始業式は大さわぎになって、先生たちが生徒を落ちつかせるのが大変そうでちょっとだけもうしわけなかった。
それから、わたしとアユちゃんは別々に先生に呼び出されて、今までの作文のことを聞かれた。

わたしがどこまでアユちゃんの作文を書いていたのか聞かれて、小学生のころからだって正直に言ったけど、たくさん賞をとっているからあまりにも事が大きくなってしまいそうだった。

『誰にも迷惑はかけてない』って先輩には言ったけど、会長選で敗れたひとたちとか、迷惑をかけたひともいるって本当は気づいてた。
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