初恋リメイク!
プロローグ
ピ、ピ、ピイーーっと、試合終了を告げるホイッスルの音がフィールドの中を駆け巡る。
「やったあ!優勝だよ!」
「すごーい!」
スタンドから声援を送っていた堀内学園中等部の応援団一行は、男子サッカー部の県大会優勝の偉業にすっかり湧いていた。
皆が肩を組んだり、手に手をとってはしゃいでいる中、私は感動で震えていた。
(優勝……?本当に?)
私は信じられない面持ちでスタジアムの電光掲示板を見つめた。
『2-1』
スコアは確かに我らが堀内学園の勝利を示していた。
スーハーと肺いっぱいに息を吸い、吐き出していく。
ドキドキして心臓が今にも身体から飛び出していきそう。
私はこの試合に、ある願掛けをしていた。
――もし、憧れの先輩が所属するサッカー部が県大会で優勝することが出来たら、思い切ってファンレターを渡してみたい。
というわけで――久賀山晶、十三歳、中学一年生。
憧れの小鳩先輩に突撃します!
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