初恋リメイク!
「ほら、俺のジャージを貸してやるから、あっちで着替えてこいよ」
「アリガトウゴザイマス……」
カタコトでお礼を言うと、葵先輩から借りたジャージを持ち、衝撃から立ち直れないままトボトボと被服準備室に入る。
悲しいことに葵先輩のジャージは私にジャストフィットだった。
着替えを終え被服室に戻ってくると、葵先輩はテーブルに置いた布に型紙をあて、定規で線を引いていた。
ザッザと、チャコペンの走る音が心地よい。
布に向かう眼差しは真剣そのもの。まるで職人のような洗練した動作で、次々と印をつけていく。
「あのう……。先輩方はここで何をしているんですか?」
「ん?見てわからない?」
匠先輩はそう言うと、作業中の葵先輩の両肩に手を置いた。
「葵はね、服飾部に所属しているんだ!ほら!自分のブランドだってあるんだよ」
匠先輩は得意げに、ペンケースに貼られた六角形が三つ連なったハチの巣のようなロゴマークのシールを見せてくれた。