初恋リメイク!

「ハニーワークスっていうんだ。略して『ハニワ』だよ」
「『ハニワ』……?」

 『ハニワ』と聞いて思い浮かぶのは、歴史の教科書でおなじみの個性的なポーズの土器達だ。
 
(いやいや、絶対それじゃない!)

 そう思い埴輪の残像を打ち消そうとしたが、想像の翼は止められなかった。私はとうとう堪えきれず、笑い出してしまった。

「ふふっ!あははっ!」

 すると、二人は狐につままれたようにポカンと口を開けた。
 しばらくして、はたと気がつく。
 ……ブランド名を笑うなんて、いくらなんでも失礼すぎる。

「わ、笑ってしまって、すみません!なんか響きが可愛くて、つい……!」
「あはは!全然かまわないよ!ね、葵!」

 匠先輩が同意を求めると、葵先輩が言葉少なに頷いた。
 快く許してもらえてホッとする。
 
「そういえば、晶ちゃんこそ花壇の端に座り込んで何してたの?」
「や、それは……」
 
 失恋したばかりで落ち込んでいましたなんて、先ほど知り合ったばかりの人に、おいそれと話せやしない。
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