初恋リメイク!
「私でも……変われますか?」
「……着たらわかるよ」
匠先輩は優しく微笑むと、私が突き返したリボンをもう一度手渡してくれた。
ドクンと鼓動が大きく跳ね上がる。
何かを期待するように、呼吸が早くなっていく。
葵先輩が歌いながら作る、あの服を着てみたい――。
「葵!晶ちゃんが来てるぞ!」
匠先輩は私の瞳に何かが宿っていくのを見届けると、葵先輩に向かって声を張り上げた。
「なんだ、来てたのか。声を掛けてくれればよかったのに」
表情筋を元に戻した葵先輩の大きな瞳に自分が映る。
私は大きく息を吸った。
やる前から逃げるのと、やってから後悔するのでは、多分意味が違ってくる。
「……やらせてください」
私は気がつくと、そう答えていたのだった。