初恋リメイク!
3.明日にトキメケ!
覚悟を決めたその日から、一瞬たりとも立ち止まることは許されなかった。
ショーモデルをやると宣言した翌日。
私は早速、放課後に第三被服室まで来るように指示を受けた。
「こ、こんにちは……」
「お、来たね」
おずおずと第三被服室を覗き込む私を、匠先輩は手招きで呼び寄せた。
「ちょっと待っててくれる?もうひとり来る予定だから」
私はテーブルの下から丸イスを引き出し、所在なさげに腰掛けた。
葵先輩は先ほどからミシンを走らせており、匠先輩もどこかに電話を掛けている。とても私にかまっている暇はなさそう。
(何をしたらいいんだろう……)
モデルになると意気込んだものの、ズブの素人の私にはこれからどんな出来事が待ち受けているのか見当もつかない。
緊張がピークに達したその時、出入口の引き戸がガラリと開いた。
「やっほ~!おっひさ!二人とも元気にしてた?」
被服室に底抜けに明るい声が響き渡る。
出入口には濃い目のメイクで睫毛がバサバサの明るいギャルっぽい人が立っていた。