初恋リメイク!
4.私だけの服
(意味なんてないんだ……)
まるで、崖の上から突き落とされたような気持ちだった。
内面は変えられても、身長は変えられない。
いくら性格を変えても、外見しか認めてもらえないなら、こんなにむなしいことはない。
私は植木の中で体育座りになってうずくまっていた。
……どれぐらいそうしていただろうか。
突如、植木が掻きわけられた。
「こんなところにいたのか!探したぞ!どうした?腹でも痛いのか?」
「葵せんぱ……」
「映奈呼んでくるか?それとも保健室行くか?」
矢継ぎ早に質問され、私はフルフルと首を横に振った。
葵先輩が探しにきてくれたことが嬉しいのに、今はひどく打ちのめされていて、とてもひとりでは立ち上がれそうにない。
……誰でもいいから何かに縋りたかった。
「葵先輩はどうして私をショーモデルにスカウトしたんですか……?」
一刻の猶予もない中で、今聞くべきことじゃないのはわかっていた。
けれど、何かを察したのか葵先輩は私の目を見て真っ直ぐ答えてくれた。
「もったいない……と思ったんだよ」
葵先輩は恥ずかしそうに、更に続けた。
「ひとつの特徴だけ切り取ってウジウジしてんのがもったいないと思ったんだよ!」
「もったいない?」
私に惜しんでもらえるようなものが身長以外にあるというのだろうか?