初恋リメイク!
「晶ちゃん!どこ行ってたの!?心配したんだから!」
「映奈先輩、すみません!」
控え室に戻ってきた私は映奈先輩に謝ると、急いでショーの準備を始めた。
ハンガーには葵先輩が作った服が掛かっていた。
(お願い。私に力を貸してください)
祈りを込めながら、丁寧に袖を通していく。
鏡の前に座ると、映奈先輩は右手にメイクブラシ、左手にパレットを持ち、ふうっと息を吐き出し、精神統一をした。
「私のテクなら二倍は盛れるし、羽ばたけるかんね!」
映奈先輩は達人のような手捌きで、次々と私の顔にメイクを施していった。私はこの時、初めて映奈先輩の真顔を見たのだった。
「うわあ……!晶ちゃん、すっごくかっこいい……!惚れる!」
ヘアメイクが終わると映奈先輩はスマホを取り出し、何度も私に向かってシャッターを切った。
時間がない中、超特急で仕上げてもらったにも関わらず、自分でも別人のように変わったと思う。
「ありがとうございます、映奈先輩」
「私は晶ちゃんの良いところをちょこっと引き出しただけだよ。絶対メイク映えするって思ってたんだよねー!」
予想通りの出来だと、映奈先輩はムフフと嬉しそうに笑っていた。