初恋リメイク!
エピローグ
大成功で終わったファッションショーから数日後のこと。
「え!?せっかく作ったのに、ほどいちゃうんですか!?」
「そう、バラしてリボンの材料にする」
実習テーブルには、先日ショーを席巻したばかりの四着の衣装が並べられていた。
葵先輩は今からこの服を解体するから手伝えと私に言っている。
「予算だって限られているしね。リボンを売ったお金で、布とかボタンとか、新しい服を作るのに必要なものを買うんだ」
「そう、なんですか……」
匠先輩から理由を説明されても、私はあからさまにがっかりしていた。
だって、私にとってこの服は、ウジウジしていた自分を変えてくれた特別な存在だからだ。
「そんな、しょぼくれた顔すんなよ」
葵先輩は軽く笑いながら、何かを私に投げてよこした。