初恋リメイク!
「晶にはこいつをやる。一番そっくりに出来たやつ」
「そっくり……?」
葵先輩から投げ渡されたのは、パニエに縫い付けられていたテディベアのひとつだった。
私はテディとしばらく睨めっこをした。
(そっくりと言われれば確かに……?)
この下がり眉にどことなく親近感が湧いてくるかも?
「ほら、いつまでもぼうっとしてないで手伝えよ」
「あ、はい!」
私は葵先輩の指示通り、糸を切り、布を選別していった。
私がショーで着た服はリボンとなり、また新しい誰かの首元を飾っていく。
葵先輩に対するこの気持ちも、いつかは本物の恋に作り直されていくのだろうか?
「晶、ちゃんと手元を見とけよ」
「はーい!」
さあ、もう一度、初恋を作り直そう――。
おわり