白い空をまた君と見たくて

私の思いを肯定するように、スマホが鳴った。


『んぁ?やり返したら先輩がいじめられる?知らねぇよ、第一人間そこまで弱かない』

「ぇ…でも、先輩の足を引っ張っちゃうかもしれないし…おそらく君にも迷惑かけるよ?」

『弱かったら自分を守れ。強かったら他人も守れ』
『辛いときには、容赦なく他人の足を引っ張っていいんだよ』
『俺が思うに、お前、その高畑達どうしたいの?』

「晒す。社会的に消す」

『じゃあなおのことよ、俺の連絡先入ってラッキーやん』

「でも、そんなことしたらあんたに迷惑がかかる…」

『俺のことなら心配するな、かかってこいや喧嘩上等。強さなら負けん』

「なんの強さよ…あんただって弱いのに…そんなことしたらあんたが…」

『なんの強さ?強いて言うなら、タフネス?』
『月野麗さんが困ってるようなのでね、俺としてはそれ以外の理由はない』


…彼の最後の言葉が、私の決断の決め手になった。

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