白い空をまた君と見たくて
泣き崩れた私の肩を支え、何分の間、彼は背中をさすってくれていたことだろう。
『…身体能力が消えるとはそういうことだ、麗。そしてな、俺が言ってる能力は、そこにある』
やがて、彼はまた話し出した。
一言一言、私に届くように、想いを込めてくれた言葉が、私をまた泣かせてくる。
『良いか。俺がいなくなったときに、お前は一人で戦うだろ?嫌かどうかは別として』
戦う、にどんな意味が込められているのか、私ははかり切れなかった。
もしかしたらこれを予想していたのかもしれないし、他のことだったかもしれないと、今になって思う。
『そういう時に、心の外側は傷ついても、お前は中ではどこか冷めている』
今度は別の意味で、心臓が嫌な音を立てた。