白い空をまた君と見たくて
先生の声が、静かな教室に響く。

「先日、貴方を二階で見かけたとき、貴方はすごく、自分の中にこもっていました」

息を呑む。だって、それはあの日のーーー。

「暗くて…他の生徒よりもきっと、心は遠いところにあった。私は、貴方のあまりの顔に、挨拶をすることすら忘れていました」


いつかは、すぐ分かった。
私の胸には再び、あの日と同じ熱さと、それを抑え込む冷たさが宿った。

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