ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

「さてと、私も帰ろうかな」
と言ってもここまで車で連れてこられているから、アパートまでどう帰るのが最短なのかわからない。

確か近くに駅があるはずだから、とにかくそこまで歩いていこうか。
そう思って日奈子が歩き出したときだった。

「お前はこっちだ」
裏口から出てきた光がそう言って日奈子を引き止めた。

「え？」
日奈子は足を止め、戸惑った表情を浮かべる。

もしかして自分だけ居残り？
これから嬢になるための勉強でもさせられるんだろうか。

でもできれば今日はもう帰って休みたいんだけれど。
そんなことを考えていると、店内へと引っ張り戻されてしまっていた。

「あの、まだなにかあるの？」
聞いても光はなにも答えずに日奈子を通路の奥へと誘導する。