ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
☆☆☆

オーナーと暮らし始めたからと言って体の関係になるわけではないらしい。
考えてみれば当然のことなのに、考えすぎて緊張していた自分が恥ずかしくなる。

ベッドの上でしっかり睡眠を取った日奈子は翌日の昼頃に目を覚ました。
真っ白な天井に出窓から差し込んでくる光に一瞬ここがどこなのかわからなくなる。

けれどすぐに昨日の出来事を思い出していた。
光にここで暮らすように言われたんだっけ。

荷物まで運び込まれていたから、きっと日奈子の部屋の契約解除まで行われているはずだ。
もうあのボロアパートに戻る必要はないのだと思うと、ちょっとだけ寂しさを感じる。

本当になにもかもが変わってしまったんだ。
リビングへ出てみると光はまだ起き出してきていなかった。

自分はここでは居候という身分になるから、なにかしたほうがいいだろうかと、部屋の中を見回してみる。
白い壁も床も汚れひとつなく、ピカピカと輝いている。

日奈子が掃除をしたら逆に汚してしまいそうで怖くなるくらいだ。
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