ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
どうしようかと考えたとき、不意にお腹がグゥと音を立てて日奈子は自分の耳を疑った。
ここ数日間は空腹を感じていなかったから、お腹から音が出ることをつい忘れていた。

そんあ自分に呆れつつ冷蔵庫へ向かう。
冷蔵庫の中にはウインナーと卵はあったけれど、他に目ぼしい食材は見当たらない。

独身の男の食事は外食が多いのかもしれない。
仕事柄、嬢と一緒に食事することだってあるだろうし、こんなものか。

日奈子は卵2子とウインナーの袋を取り出してフライパンをIHコンロに乗せた。
「そういえば料理するのも久しぶりだなぁ」

食べていたものといえば塩むすびくらいだ。
惣菜を買うのも食材を買うのももったいなくて家で料理もしていなかった。

「ホストに入れ込んでたくせに女としても終わってたのかも」
カズに会うためにできるだけ自分の見た目は気にしていたけれど、内面的な女性らしさは捨ててしまっていた気がする。
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