ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
「途方に暮れているときにこの店の求人を見つけて、飛び込みで働き始めた。そこで施設育ちのマキと偶然再開して、今は楽しく仕事をしている」

「なによそれ、そんな人生送ってきてないけど!?」
両親は元気だし、マキともここで始めて会ったばかりだ。

「くれくらいわかりやすい方がいいんだ。いいか、これはお前の人生じゃなくて、ヒナの人生だ。お前はヒナを演じるんだ」
演じる……。

全く別の自分になりきる。
そんなことができるだろうかと不安がよぎる。

「お前ならできる」
光が自信満々に言い切るので日奈子はゴクリと唾を飲み込んだ。

「他の子たちも、こんな風に演じてるの?」
「あぁ。人生物語はそれぞれに作ってある」
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