ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
「お客さんの言った言葉をそのまま返す?」
ヒナは首を傾げて聞き返した。

「そうよ。『この本面白いんだよ』って言われたら『面白いんだぁ』。『こっちはちょっと難しい本だよ』って言われたら『難しいんだぁ』っていう感じね」

「それだけ?」
嬢はコクリと頷く。

お客さんからすれば、嬢がちゃんと反応してくれていることが重要らしい。
これは大きな勉強になった。

それからヒナは店内で目についたことをメモしていくようになった。
もちろん、店内掃除も怠らない。

「ヒナ、お前お客さんの案内係をやれ」
そうしている間に光に仕事を頼まれることも多くなってきた。

その分掃除の量が減って、ボーイたちが分担してするようになった。
「いらっしゃいませ○○さま。こちらへどうぞ」
お客さんの顔と名前もできるだけ覚えて、来店されれば笑顔で名前を呼ぶ。
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