ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
丸太さんははぁと重たいため息を吐いた。
いけない。

ここは楽しんでもらう場所なのに、いらないことを思い出させてしまったみたいだ。
やはり、前回のやらかしは尾を引いている。

「強くなくても、たくましくなくてもいいと思います」
「え?」

「私も、ここノアールの人たちに助けられてきました。そういうのってきっと施設育ちとか関係ないことだと思います」
ヒナの言葉に丸太さんが目を大きく見開く。

「施設育ちじゃなくても人生失敗するひとは沢山いるし、問題はそこからどうするかだと思います」
いいながらもヒナは自分がなにを言っているのかだんだんわからなくなってきた。

とにかく、今ここでは楽しい気分でいてほしい。
ただそれだけなのに。
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