ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
それでも笑顔を崩さずに隣に座り、おしぼりを手渡す。
男性客はそれを奪うようして取ると、そのままテーブルに放り投げてしまった。

なるほど。
これは確かに手強いかもしれない。

他の嬢たちも不安そうな顔をこちらへ向けている。
「なにか飲みますか?」

次にメニューを広げて男に見せた。
男は太い指先でビールを指差しただけで、無言だ。

でもとにかくなにか飲んでくれる気はあるようでホッとする。
ヒナは近くのボーイを呼んでビールを頼んだ。

ここからが本番だ。
「今日はひとりで来られたんですね」

「見りゃわかるだろ」
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