ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
他のお客さんの迷惑になることだけはやめてほしい。
「え、えへへ。そうですねぇ」

変に否定して刺激してしまってはいけないと思い、適当に相槌をする。
お客さんの中にはキャストをバカにしてくる人もいるし、攻撃的な人もいる。

この人もそういうタイプなんだろう。
高級店であるノアールではめったに見かけない客だった。

「ヘラヘラ笑って適当に相槌打って、それで何万にもなるんだよなぁ?」
「そ、そんなことないです」

思わず否定してしまった。
嬢たちの頑張りを間近で見ているヒナにとっては、大変な仕事だとわかっている。

自分だって何度も失敗して、泣きたいときだってあった。
それでも頑張ってここにいるんだ。

「へぇ? じゃあお前になにかできることがあるわけ?」
男性客がイジワルな笑みを浮かべて聞いてきた。

「なにか一発芸とかできるわけ?」
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