ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
お客さんの良し悪しによって金額が変わるなんて面白い。
あまりに粗々の悪いお客さんからは大金を取って、また来てほしい優良客には手頃な金額を提示するらしい。

一見さんお断りだし、そうすることで妙な客もつきにくくなるんだろう。
「いいなぁ。ノアールもそうしようよ」

「それは無理だ。それこそぼったくりだと文句を言われる」
あぁ、舞妓さんは特別なんだとしみじみ感じる。

それから舞妓さんの演舞を見せてもらった日奈子はずっと嘆息しっぱなしだった。
重たい着物を着ているのに汗ひとつかかず、指先までしっかりと神経を集中させて舞っている。

力強いのにとても柔らかくてしなやかな動きに見えるのは、しっかりと体が鍛えられているからだろう。
日奈子は舞が終わると同時に大きな拍手をしたのだった。
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