ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
「お願いします! 教えてください!」
トイレで頭まで下げてくるヒナにマキもたじたじだ。

「高いボトルをいれてもらうのが早いけれど、それでもやっぱり大切なのはお客さんへの誠実さじゃないかしら。上辺だけで会話をしているとすぐにバレちゃうでしょう?」

そうかもしれない。
オウム返しもいいけれど、返事ができるときにはちゃんと自分の言葉で伝える必要があるのかも。

「あとはイベントの時が書き入れ時ってことはもうわかってるわよね?」
そう言われてヒナはハッとした。

今月はバレンタインデーイベントがある。
それはあと一週間後に迫ってきているのだ。

ヒナは大きく頷いた。
あのイベントを利用すれば、ヒナがトップに立つことができるかもしれない!

「でも、私も負けないからね」
マキはそう言うとひらりと手を振ってトイレを出ていく。
むっ。

私の敵はかなり手強いマキさんなのかもしれない。
ヒナは闘志を燃やしてマキの背中を見つめたのだった。
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