ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

立ちんぼをして見知らぬ男に抱かれてまで、カズをナンバーワンにしたと思う。
でも、今はもう……。

日奈子が断ろうとした、そのときだった。
「なにしてんだ！！」

そんな怒号と共に公園内へ入ってくる人の姿があった。
近づくにつれてそれが光だとわかる。

「日奈子に近づくな！」
光は日奈子の前に立つとカズを睨みつけてそう言った。

カズは軽く舌打ちをすると「なんだ、男がいるならそう言えよ」と、文句を言い捨てて公園内から出ていってしまった。
残された日奈子と光は互いに気まずい空気に包まれていた。

まさか追いかけてくるなんて思わなかった。
しかも、偶然とは言えカズと会っているところを見られるなんて最悪だ。

「あの男にまだ未練があるのか？」
「ち、違うよ！　今のは偶然会っただけ！」
慌てて否定すると、光は安心したように頬を緩めた。