ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
☆☆☆

「日奈子は世界で一番可愛いよ。俺のお姫さまだ」
カズが甘いささやきをくれると、日奈子の目はトロリととろける。

同伴出勤し、そのままカズを指名して隣についてもらったところだった。
日奈子はカズのたくましい肩に自分の頭をもたげていた。

爽やかで甘い、香水のいい匂いがする。
これがカズの匂いだ。

「カズだって世界で一番かっこいいよ」
「俺なんて日奈子ちゃんの足元にも及ばないよ。こんなにかわいくて仕事も頑張ってて、本当に尊敬する」

そう言って子供にするみたいに頭をなでられると日頃のストレスなんて一気に吹き飛んでいってしまう。
日奈子は目を閉じてその心地よさに酔いしれた。

「ところで、なにか飲む?」
そう言われて最初に注文したシャンパンがなくなっていることに気がついた。

カズは案外酒豪だ。
< 25 / 264 >

この作品をシェア

pagetop