ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
《日奈子:ごめん。今月はちょっと余裕なくて……。他になにか欲しいものはない?》
心苦しく感じながらもそう返信した。

好きな人が欲しがっているものが買えないなんて情けない。
《カズ:そっか。いいよじゃあ他の子に頼むから》

いつもは絵文字をつけてくれるのに、文字だけのそっけない文章だ。
日奈子の心臓がドクリと嫌な音を立てる。

他の子って誰?
その子にプレゼントしてもらえたら、私はもう用無しになるの?

考えただけで不安と孤独が押し寄せてくる。
《日奈子:待って! どうにかするから、待ってて!》

どうにかって、どうするの? 
今までもカズに会うために借金をしたことはあった。

だけどそのどれもがすぐに返済できるような金額だ。
でも今回は違う。

100万を超える借金はいくら日奈子でもしたことがなかった。
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